浄土真宗の仏前結婚式

浄土真宗を開かれた親鸞聖人は、僧侶で初めて公然と結婚をなされました。
浄土真宗では、仏前結婚式は最も古くから行われています。
新たな人生の旅立ちとなる結婚式は、浄土真宗ではどのようなことを行い、どのような意味があるのでしょうか?

目次

浄土真宗の仏前結婚式の意味

結婚して新たな人生の旅を歩み始めれば、人生行路は必ずしも平坦ではありません。
山あり谷あり、色々な楽しいことも、苦しいこともやってきます。
その人生の新たな旅立ちに際して、どんなときも夫婦で苦労を分かち合って聞法に精進し、必ず夫婦そろって生きているときに信心獲得し、この世は変わらない幸せに救われ、死ねば阿弥陀如来の浄土へ往って、未来永遠の夫婦になることを、阿弥陀如来、親鸞聖人の前で誓う、尊いご縁が浄土真宗の結婚式です。

結婚式というと、1970年代に芸能人が教会で結婚式をしたことから教会式が多くなりましたが、浄土真宗の門徒としては、親鸞聖人の教えに合わないキリスト教の教会式や神道の神前式ではなく、浄土真宗の仏前式で結婚式を行うようにしましょう。

仏前結婚式の日程や場所

浄土真宗では、一切の迷信を排除しますので、吉日を選びません。
親鸞聖人は、
吉良日を視ることを得ざれ(般舟三昧経)」
と教えられ、蓮如上人は
如来の法のなかに吉日・良辰をえらぶことなし。(涅槃経)」
と教えられています。

浄土真宗では大安吉日や仏滅などの六曜にとらわれない為、多くの人が集まれる日取りにできます。他宗の人が悪い日だと思っている日にすれば、式場がすいていたり費用も安くなったりします。

また会場も、おの本堂や自宅の仏間、結婚式場、ホテルの式場など、様々な場所で行うことができます。

仏前結婚式の流れ(式次第)

浄土真宗の結婚式の流れは、各派によって微妙な違いがあります。
また、もともと仏教にはない指輪の交換を入れたりすることもできます。
一般的な流れは以下のようになりますが、取捨選択できます。

1.開式の辞
2.新郎・新婦入場
3.司婚者入場
4.勤行(讃仏偈・十二礼・阿弥陀経など)
5.表白文
6.司婚者司婚の言葉
7.新郎新婦へ念珠授与・結婚指輪交換
8.新郎新婦誓いの言葉
9.法話(司婚者の祝辞)
10.祝杯(三三九度)
11.恩徳讃
12.閉式の辞
13.司婚者退場
14.新郎・新婦退場

司婚者とは、結婚式を司る人のことで、僧侶が行います。
司婚者が勤行の導師をつとめ、仏前に表白文を述べます。

それから司婚者が新郎新婦に対して司婚の言葉を述べ、念珠を授与します。
それから、仏前で新郎新婦が誓いの言葉を述べます。

誓いの言葉

誓いの言葉にも色々ありますが、一例をあげれば以下のようなものです。

今夫婦となりたる上は、いかなる苦しみも楽しみも分かちあい、信心決定(しんじんけつじょう)の大益を獲るまで、夫婦そろって聞法に精進する事を如来聖人の御前に誓います

人間に生まれてきた目的は、信心獲得して本当の幸せになることですので、この約束を忘れず、新郎新婦は新たな人生行路を旅立つのです。

法話

誓いの言葉の後、司婚者からの祝辞として、法話があります。
浄土真宗では、「仏法は聴聞に極まる」といわれ、法話を聞く聞法のご縁が最も重要です。
司婚者に必ず法話をお願いして、一同真剣に聴聞するようにいたしましょう。

その後、三三九度のさかずきを交します。
三三九度は神道でも行われますが、神道の作法ではなく、日本の作法なので、仏前式でも行われます。
最後に参列者一同が恩徳讃を合唱して終わります。

仏前結婚式の所要時間は、式次第にもよりますが、大体30分から45分程度です。

親鸞聖人のご結婚に驚く夏目漱石

さて、浄土真宗を開かれた親鸞聖人の当時、結婚は僧侶には固く禁じられていました。
ところが親鸞聖人は31歳の時、結婚されたのです。
これには、文豪・夏目漱石も驚き、大改革だとこう言っています。

坊さんというものは肉食妻帯をしない主義であります。それを真宗の方では、ずっと昔から肉を食った、女房を持っている。これはまあ思想上の大革命でしょう。親鸞上人に初めから非常な思想があり、非常な力があり、非常な強い根柢のある思想を持たなければ、あれほどの大改革は出来ない。(夏目漱石)

なぜ非常な強い根底のある思想を持たなければ結婚できないのかというと、僧侶が妻帯すれば、迫害を受けるからだと夏目漱石は言っています。確かに当時の僧侶が結婚したら、後ろ指を指され、悪口を言われるのは想像に難くありません。実際に親鸞聖人は非難攻撃のまとで、権力者からの弾圧を受け、流刑にまであわれました。
それにもかかわらず結婚を断行されたことを、夏目漱石はさらにこう讃えています。

迫害などを恐れるようではそんな事は出来ないでしょう。そんな小さい事を心配するようでは、こんな事は仕切れないでしょう。其所(そこ)にその人の自信なり、確乎(かっこ)たる精神なりがある。(夏目漱石)

では夏目漱石の言うその根底のある思想、自信とは何なのでしょうか?
なぜ親鸞聖人は、公然とご結婚なされたのでしょうか?

親鸞聖人がご結婚なされた理由

もし親鸞聖人が結婚したいだけなら、隠れて結婚すればよかったのです。
当時もそのような僧侶はたくさんありました。
わざわざ公然と結婚されるということは、迫害や弾圧を受けてまでしなければならない確固たる目的があったのです。
それが、「真実の仏教を明らかにするため」です。

当時の仏教は、出家して戒律を守り、怒り愚痴煩悩をなくなった悟りを目指すものでした。
ところが、これでは普通の結婚生活をしているほとんどの人は救われません。
ごく一部の人だけがスタートラインに立てる教えになってしまいます。

ところが仏様は、ごく一部の人だけを救おうとしておられるのではありません。
苦しみ悩むすべての人を憐れみ、救わんとされているのが仏様です。

親鸞聖人は、苦しみの根本原因を明らかにされ、それさえなくせば、煩悩あるがままで、本当の幸せになれることを明らかにされたのです。
親鸞聖人が明らかにされた真実の仏教によれば「すべての人々の救われることを明らかにするため」に、敢えて公然と結婚されたのです。
ありのままで苦悩の根元を断ち切られ、本当の幸せになれる真実の仏教を、身をもって示されたのです。

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