浄土真宗のお通夜の流れと意味

仏教では「会者定離(えしゃじょうり)」といわれ、出会った人は必ず別れていかなければならないといわれますが、長年共に生きてきた家族が亡くなると、その悲しみは計り知れません。
その悲しみを乗り越えて、日本では伝統的にお通夜を行い、葬儀を行ってきました。
浄土真宗では、どのようなお通夜を行い、そこにはどんな意味があるのでしょうか?

お通夜とは?

お通夜」とは、夜を通すと書くように、家族などの身近な人が亡くなったとき、夜通しその遺体と共に過ごし、故人を偲ぶことです。
その人との想い出を回想し、生まれてから今日までどんな人生であったのかに思いを馳せると、日頃は忘れがちな、どんな人も必ず死んで行くという厳粛な事実が知らされます。
それと共に、自分もやがては死んで、お通夜を執り行われる側になるという無常の現実を直視し、限られた人生、何のために生きるのか、考えてみなければなりません。
亡くなられた方を通して自分の無常と、生きる意味を見つめて、聞法のご縁とするものです。

昔は、何世代もの大家族が大きな家で生活しており、仏間もありましたので、自宅で家族や親戚が集まってお通夜を行いましたが、最近は核家族化で家も小さくなり、壇を作れる仏間がない場合もあるので、斎場で行われることが多くなりました。
その場合は、「半通夜(はんつや)」といわれるもので、19:00頃から一般の方も参列されるものです。

お通夜の日程

お通夜の日程は、葬儀の前日です。
特に事情がなければ、通常は亡くなった日は仮通夜として、翌日にお通夜を行い、その翌日が葬儀となります。

仏教の他の宗派の人は、葬儀を友引に行わないようにすることがありますが、浄土真宗では日取りは関係ありません。
なぜなら親鸞聖人は主著『教行信証』に
吉良日を視ることをえざれ(般舟三昧経)
と言われ、蓮如上人は『御文章』に
如来の法のなかに吉日・良辰をえらぶことなし(涅槃経)
と言われているからです。
吉良日」も「良辰」もよい日のことですから、浄土真宗では、良い日、悪い日という日取りは選ばないのです。

お通夜の係

まず、喪主を決めます。
喪主は、遺族の代表者で、普通は故人の配偶者、配偶者がいなければ、成人した子供がなります。
ただ、決まりはありませんので、遺族の代表となる人であれば誰でも構いません。

次に世話人代表です。
喪主に代わって、お通夜と葬儀の進行をとりしきる人です。
社葬などの大きな葬儀では、葬儀委員長を決めることがありますが、そうでもなければ親戚や、町内会の役員、故人の友人や会社の人たちの中から、経験者にお願いします。
世話人代表が決まったら、喪主や遺族は葬儀の進行については口出しせずに任せます。

喪主と世話人代表が決まったら、葬儀社と打ち合わせます。
ほとんどのことは葬儀社がやってくれます。

世話人代表は、喪主や遺族と相談して、進行、受付、会計、接待、配車、炊事、雑務などの係を設けます。
進行は世話人代表が行います。
会計は、お金を扱うので2人以上必要で、そのうち1人は遺族にやってもらいます。
接待は、僧侶や会葬者への茶菓子などの接待です。
炊事や茶菓子や食事の用意です。

お通夜の流れ

現在一般的になっている、故人の仕事の同僚や取引先など、親族以外の方も参列される半通夜の場合は、以下のような流れになります。

16:00 自宅にて故人を納棺
17:00 自宅を出棺
   斎場に到着・お棺の安置
18:00 受付係など係の集合・準備
18:55 喪主・遺族着席
19:00 お通夜開始
   僧侶(導師)入場
   勤行(阿弥陀経など)
   法話
   僧侶(導師)退場
   喪主の挨拶
   焼香・参列者解散
20:00 お棺を移動
   通夜ぶるまい

お通夜の勤行と法話

お通夜の勤行は、浄土真宗本願寺派(西本願寺)では『阿弥陀経』、真宗大谷派(東本願寺)では『正信偈』が読まれます。
これは、故人を供養するための読経ではありません。
また、棺の前に膳や水を供えたりもしません。
浄土真宗では、御本尊を御安置し、棺ではなく、御本尊に向かっての勤行です。

その後、浄土真宗では通常、法話があります。
ただ、今まで仏教を聞いたことのない方や他宗の方もたくさん参列されていますので、10分程度の短いものが普通です。
残された人は、亡くなられた方をご縁に、我が身の無常を見つめ、親鸞聖人の教えを聞かせて頂くご縁とするのです。

焼香の作法

焼香の作法は、宗派によって違いがあります。
1.焼香台の2、3歩前で御本尊に向かって軽く一礼します。
2.前に進み、右手で香を取り、火の中に入れます。
  これは本願寺派は1回、大谷派は2回と、回数が違います。
  このとき、額に押し頂く必要はありません。
3.御本尊を拝見して合掌し、念仏を称え、御本尊に礼拝します。
4.2、3歩下がって一礼し、自分の席に戻ります。

参列者が多い場合は、お盆にのせた香炉が回されて、自分の席で焼香をする場合もあります。
この場合も、焼香台の前に出ないだけで、作法は同じです。

焼香の順序は、故人との血のつながりの濃い順です。
参列された方が帰られたら係など手伝いをしてくださっている方にも焼香をして頂きます。

喪主の挨拶

導師が退場された後、喪主が参列者に挨拶します。

参列者に感謝を表し、故人が生前お世話になったことのお礼を述べます。
喪主の思いを言い、重ねてお礼を述べます。

通夜ぶるまい

通夜ぶるまいとは、お通夜に来られた方をもてなす食事のことです。
お通夜を行った部屋から、棺と共に別室へ移動して、僧侶や遺族、係を手伝ってくれた近所の方々に食事を振る舞います。
食事は昔は精進料理のこともよくありました。
今でも生ものは避けますが、最近では仕出し料理や折り詰めが多くなっています。
たくさんは必要ありませんが、一通り行き渡る程度のお酒も用意します。

一段落したら、喪主が挨拶して解散します。
その後、故人と共に一夜を過ごし、法話で聞いた内容をかみしめて、最後の別れを惜しむのです。

浄土真宗のお通夜のまとめ

このように、浄土真宗のお通夜では、他の宗派とは違い、故人の為の追善供養ではありません。

生きている人が、亡くなられた方をご縁に、人生には最後、終わりがあるという厳粛な事実を見つめ、自分は生まれてから死ぬまでに何をしなければならないのか、人間に生まれた意味は何なのか問い直します。

そして、お通夜の法話で、生きているときに救われる、親鸞聖人の平生業成の教え聴聞し、有縁の人にもお伝えするご縁とするのです。

故人としても、残された人が、親鸞聖人の教えを聞いて、生きているときに本当の幸せになることを願っているはずです。自分のお通夜を通して、遺族がより一層の聞法のご縁とするということは、故人の最も喜ぶことなのです。

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