「現代人の仏教教養講座」

 

「浄土真宗」入門講座

浄土真宗の大切な所をわかりやすく解説

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生きる意味を、知ろう。

浄土真宗のよくある質問

浄土真宗は日本で最大の仏教の宗派です。
浄土真宗の教えは際立っているため、他の宗派とは大きく違うところがあります。
一体どんな違いがあるのでしょうか?
日常生活ではどんなことに気をつければいいのでしょうか?
よくある質問にお答えするにあたって、ここではまず、教えを学ぶ大切さと、その目的について解説します。

教えの理解の大切さ

浄土真宗を明らかにされた親鸞聖人の主著は『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』です。
親鸞聖人は「教行証(きょうぎょうしょう)」ともいわれています。
親鸞聖人は、教行証を教えられているのです。

教行証」というのは、「」と「」と「」です。
」というのは教えです。
歩いたり走ったりする前に、どの方向へ歩くのか、進むべき方角を示されたのが教えです。
方角が示されたらその通りに歩いたり走ったりするのが「」です。
まず方角が分からないと、歩いたり走ったりできません。
そして目的地へ着くのが「」です。

ダイエットなら、まずダイエットのやり方を知らなければ実行できません。
ただ、いくらダイエットのやり方を学んでも、実行しなければやせません。
ダイエットのやり方を学んで、それを実行して、体重が減るようなものです。

これが「行、教、証」で、走っているうちに方角が分かってきて、目的地に着いたということはありません。
だから親鸞聖人は、「教行証」と教えられています。
まず教えを知り、よく理解することが大切なのです。

教えは学ばなくてもいい?

浄土真宗ではたまに、教えを学ぶ必要はない、という人があります。
そういう人が根拠にしているのは、蓮如上人の「八万の法蔵」の『御文章』です。
そこにはこのように教えられています。

八万の法蔵を知るというとも後世を知らざる人を愚者とす。
たとい一文不知の尼入道なりというとも後世を知るを智者とすと言えり。
(御文章)

八万の法蔵」というのは、お釈迦さまの説かれた一切経です。
それに、お経を解説された本も全部入りますから、仏教の本全部です。
そういう仏教の教えを知っていても、後世を知らない人は愚か者だ、といわれています。
後世というのは、来世とか後生ともいって、死んだらどうなるかということです。
死は100%確実な未来ですから、どんなに知識があっても、自分の行く先が分からないのは、愚か者だ、ということです。
これは、後生の一大事を解決して、死んだら極楽に往ける身になりなさい、ということです。

そして次の、「一文不知」というのは、文字の縦横も分からない人です。
そういう人でも後世を知る人は智者である、
後生の一大事を解決できた人は大学者だといわれています。

この蓮如上人のお言葉をたてにとって、教えを学ぶ必要はないのだ、一文不知でいいのだ、と言うのです。
それで、「門徒物知らず」と言われてしまうのです。

ところが、これは教えを学んだ人を愚者だと言われているのではありません。
死んだらどうなるか分からない人を愚者といわれているのです。

教えというのは、後生の一大事の解決のための教えです。
教えが分からなければ、どういう人が智者でどういう人が愚者かも分かりません。
蓮如上人は、教えを知った人に対して、そこにとどまらずに、後生の一大事の解決まで聞き抜きなさい、といわれているのです。

仏教は「教行証」ですから、教えを知って初めて実行があります。
そして目的地に行き着くということがあります。
そうでないと親鸞聖人が『教行信証』を書かれた意味がなくなってしまいます。

仏教の教えは非常に深いので、教えを学んだことがないけど、いつのまにか教えられた方角に進んでいた、ということはないのです。
ましてや私たちは、煩悩によって、楽な方へ流されます。
進むべき方角をよく聞いて、知っておかなければならないのです。

仏教の教えを質問する目的

そのため蓮如上人は、『御一代記聞書』にこう教えられています。

蓮如上人おりおり仰せられ候、
「仏法の義をば能く能く人に問え、ものをば人によく問い申せ」
(御一代記聞書167)

これは、仏教の教えをよく人に尋ねなさい、ということです。
教えについての質問をご縁に、自分の間違いも知らされ、正しい教えを理解することができます。

法然上人も智慧第一といわれる方ですし、親鸞聖人も一切経を読み破られた大学者でした。
仏教の学問を不要だとか、しない方がいいと言われた方はありません。
大いに教えを学ぶべきなのです。

それはもちろん、知識欲を満たすための学問や、他人に威張るための名誉欲のためではありません。
教えを学ぶ目的は何かという心構えは大切です。

蓮如上人は、質問によって正しく仏教を聞いて、信心獲得してもらいたいといわれています。

「同座をもしてあらば、不審なることをも問えかし、信をよくとれかし」と、願うばかりなりと仰せられ候なり。
(御一代記聞書39)

仏教の教えの目的は信心獲得して、変わらない幸せになることです。
それはイコール後生の一大事の解決です。
仏教の学問は単なる理屈ではなく、日常生活を通して仏教の真実性が知らされて行く、実践を伴うものでなければなりません。
正しく教えを理解して、一人でも多くの人に、信心獲得まで聞き抜いてもらいたい、と念じられているのです。
そして、信心獲得できた人には、その他力の信心の味わいを深めることになるのが本当の教えの学びなのです。

そういうことで、浄土真宗のよくある質問について、お答えしていきたいと思います。

  1. 浄土真宗と浄土宗の違い
  2. 自力仏教と他力仏教の違い
  3. 西本願寺と東本願寺の違い
  4. 浄土真宗の法名とは?
  5. 位牌はどうするの?
  6. お墓参りの意味は?
  7. 本当の先祖供養とは?
  8. 般若心経はダメ?

さらに、どうすれば信心獲得できるのかについては、以下のメール講座でご覧ください。

浄土真宗の本質を学ぶ

浄土真宗の教えの本質、苦しみの根元をメール講座にまとめました。
詳しくは以下のページで確認してください。

著者紹介

この記事を書いた人

長南瑞生

長南瑞生おさなみみずき

日本仏教学院 学院長
東京大学教養学部卒業
大学では量子統計力学を学び、卒業後、仏道へ。仏教を学ぶほど、その深い教えと、それがあまりに知られていないことに驚く。何とか仏教に関心のある人に知らせようと10年ほど失敗ばかりした後、インターネットの技術を導入し、日本仏教学院を設立。著書2冊。通信講座受講者3千人。メルマガ読者5万人。執筆や講演を通して一人でも多くの人に本物の仏教を知ってもらおうと奮戦中。

仏教界では先駆的にインターネットに進出。メールマガジンや、ツイッター(@M_Osanami)、ユーチューブ(長南瑞生公式チャンネル)で情報発信中。先端技術を駆使して伝統的な本物の仏教を一人でも多くの人に分かりやすく理解できる環境を作り出そうとしている。メールマガジンはこちらから講読が可能