「現代人の仏教教養講座」

 

「浄土真宗」入門講座

浄土真宗の大切な所をわかりやすく解説

日本仏教学院ロゴ 日本仏教学院ロゴ

生きる意味を、知ろう。

なぜ浄土真宗で般若心経は読まないの?

浄土真宗では『般若心経』は読みません。
一体なぜなのでしょうか。

仏教に2つある?

仏教は、大きく分けると2つあります。
自力の教えである「聖道仏教(しょうどうぶっきょう)」と、
他力の教えである「浄土仏教」の2つです。

       ┌────┐
       │聖道仏教│
┌────┐/└────┘
│ 仏教 │
└────┘\┌────┐
       │浄土仏教│
       └────┘

聖道仏教」とは、自力の修行によって、煩悩を何とかして助かろうという教えです。

浄土仏教」とは、仏教を聞く一念で、他力によって無明の闇が破られ、絶対の幸福になれる教えです。

聖道仏教についてお釈迦さまは?

約2600年前、仏教を説かれたお釈迦さまは、この修行で助かろうとする聖道仏教について、お亡くなりになられた後のことを多くの経典に説かれています。

私の死後5百年間を「正法の時機」と言い、私の説いた教えも、その教えの通り修行する者も、証る者もある時機であるだろう。

その正法5百年の後、1千年を「像法の時機」と言う。
この時機になると私の説いた教法も、一部修行する者もあるが、証る者はなくなるであろう。

この像法1千年間の後1万年を「末法の時機」と言う。
末法になると教のみあって、行ずる者も証る者もなくなるであろう。

その後は「法滅の時機」となって、教えも滅してしまうであろう。

正法(5百年) ── 教 行 証
像法(1千年) ── 教 行
末法(1万年) ── 教
法滅( ↓ )

現代は末法ですから、教えのみあって、行ずる人も、証る人もありません。

ですから『大集経』にはこのように説かれています。

「我が末法の時の中の億億の衆生、行を起し道を修せんに、 未だ一人も得る者有らず」と。当今は末法にしてこれ五濁悪世なり、 唯浄土の一門有りて通入すべき路なり。

それで親鸞聖人は、そのことを分かりやすく教えられています。

釈迦の教法ましませど
修すべき有情のなきゆえに
さとりうるもの末法に
一人もあらじとときたまう(正像末和讃)

般若心経』は、自力で助かろうとする聖道仏教のお経ですから、末法である現代に於いて、『般若心経』を読んで助かろうとするのは、間違いとなります。

なお『般若心経』を現世利益のために読んでいる人がありますが、それは、その人が勝手に現世利益があると思っているだけで、単なる妄想ですので、論外です。

では浄土真宗のお経は?

お釈迦さまは「唯浄土の一門有りて通入すべき路なり
と教えられていますが、浄土真宗で大事なお経は、
大無量寿経(だいむりょうじゅきょう)』、
観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』、
阿弥陀経(あみだきょう)』 の3つです。
これらのお経を「浄土三部経」といいます。

浄土の教えは、末法でも、法滅でも、未来永遠、人々を救い続けますので、『大無量寿経』にはこのように説かれています。

当来の世に経道滅尽せんに、我慈悲を以て哀愍し、
特にこの経を留めて止住すること百歳せん。
(『大無量寿経』)

百歳」とは、百年のことではありません。
もし百年なら「一百歳」と書かれますので、「」は満数と言われ、未来永遠ということです。

やがて『般若心経』や『法華経』など、一切の経典が無くなる時が来ても、この『大無量寿経』だけは永遠に残り、すべての人を絶対の幸福に導くであろう、ということです。

浄土三部経の教えを圧縮して教えられているのが親鸞聖人の書かれた『正信偈』ですから、浄土真宗の朝晩のおつとめでは、『正信偈』が拝読されています。

浄土真宗の本質を学ぶ

浄土真宗の教えの本質、苦しみの根元をメール講座にまとめました。
詳しくは以下のページで確認してください。

著者紹介

この記事を書いた人

長南瑞生

長南瑞生おさなみみずき

日本仏教学院 学院長
東京大学教養学部にて量子統計力学を学び、卒業後、仏道へ。仏教を学ぶほど、その深い教えと、それがあまりに知られていないことに驚く。仏教に関心のある人に何とか本物の仏教を知ってもらおうと10年ほど失敗ばかり。たまたまインターネットの技術を導入し、日本仏教アソシエーション、日本仏教学院を設立。著書2冊。通信講座受講者4千人。メルマガ読者5万人。執筆や講演を通して一人でも多くの人に本物の仏教を知ってもらえるよう奮戦中。

仏教界では先駆的にインターネットに進出。メールマガジンや、X(ツイッター)(@M_Osanami)、ユーチューブ(長南瑞生公式チャンネル)、インスタグラム(日本仏教学院公式インスタグラム)で情報発信中。先端技術を駆使して伝統的な本物の仏教を一人でも多くの人に分かりやすく理解できる環境を作り出そうとしている。メールマガジンはこちらから講読が可能