「現代人の仏教教養講座」

 

「浄土真宗」入門講座

浄土真宗の大切な所をわかりやすく解説

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生きる意味を、知ろう。

お仏壇の飾り方

浄土真宗の門徒にとって、朝晩のおつとめはとても大切なことです。
おつとめ」は、「勤行(ごんぎょう)」ともいわれ、お仏壇の前で親鸞聖人の『正信偈』と蓮如上人の『御文章』を拝読するものです。
では、お仏壇の飾り方はどうすればいいのでしょうか?

お仏壇の場所

お仏壇は、その家で一番いい部屋である仏間の、奥の真ん中に安置されます。
お仏壇は、「宮殿(くうでん)」と「須弥壇(しゅみだん)」に分けられます。
上の楼閣(屋根)がある部分が宮殿で、その土台のようになっている部分が須弥壇です。
本願寺派の屋根は一重で柱は金箔ですが、大谷派は屋根が二重で柱は黒塗りで金具が打ってあることが多くあります。

屋根がなければ、厨子の場合もあります。
家庭用仏壇には、これに扉と、内側の扉である「金障子(きんしょうじ)」がついています。

お仏前の立ち居振る舞い

そして、仏さまの前をみだりに横切ったりしてはいけません。
気を張って静かに歩きます。
お仏壇の前で作業したり、物を置いておいたりもしません。
お仏壇の中に大変なお客様が座っておられると心得れは、その前を通る時はどうすればいいか分かります。
お仏壇の掃除も、体操服ではなく、正装のほうが望ましいです。

御本尊の御安置

宮殿の中央に御本尊を御安置します。
正しい浄土真宗の御本尊は、御名号です。
世間の掛軸と違いますから、自ら大切に取り扱うと同時に、見ている人達にも尊く思われるように両手でお取り扱いします。
お持ちする場合はお納めした桐箱などの入れ物を風呂敷などに包みます。
置く場合は、床に置かずなるべく高いところに置きます。

お仏壇に御安置する時は、お仏壇の他の準備がすべて整ってから、最後に御安置します。

その時、画鋲などで打ち抜いてはいけません。
上にひもがあるはずですので、お仏壇に掛金具を固定して、そこにおかけします。

御安置する時は、まず、両手でたてにお持ちして、押し頂いてから風呂敷をといていきます。
その場合、当然ながら御本尊を転がさないよう、風呂敷を動かします。
桐箱のふたをはずしたら両手で一度おし頂いてから、取り出し、両手で頂きます。
御安置したら、さっそく合掌礼拝して、周りを片付けます。

また、阿弥陀如来に向かっての礼は、人に対する挨拶より深くなります。
人に対して45度で短いとすれば、阿弥陀如来に対しては90度で長くなります。
角度を見ただけで相手が分かります。

万が一火事が起きた場合は、まず第一に御本尊を安全な場所にお移ししなければなりません。

瓔珞、灯籠、輪灯

お仏壇は「瓔珞(ようらく)」、「灯篭(とうろう)」または「輪灯(りんとう)」などを吊るして荘厳します。
本願寺派の輪灯は細かい装飾が施され、大谷派の輪灯はシンプルなことがあります。
また大谷派では、瓔珞と輪灯が一体になっていることもあります。

お仏飯・飾り香炉

大きな須弥壇には上卓(うわじょく)などを置いて、仏飯(おぶっぱん)を置けるようにします。
お仏飯は、仏器(ぶっき)に盛り付け、仏器台(ぶっきだい)の上に置いてお供えします。
その時は、手で直接お供えせず、「仏器差(ぶっきさ)」に挟んで、仏器台に置くようにします。

仏器の下の段に上卓(うわじょく)を置いて、火舎(かしゃ)を飾ることもあります。
火舎は飾香炉(かざりこうろ)、金香炉(きんこうろ)ともいいます。

三具足と五具足の違い

前卓(まえじょく)には、香炉(こうろ)を置き、線香を立てます。
前卓の足は、本願寺派は内側に曲がり、大谷派では外側に曲がっていることが多くあります。
前卓は、金箔加工したものでなく、大きいものは、木枠に水引を懸ける場合もあります。

前卓の上は、平生は三具足(みつぐそく)ですが、法話や大きな法事の時は、五具足(ごぐそく)にするのが一般的です。 三具足というのは、左に花瓶、真ん中に香炉、右側に燭台お灯明を置くことを三具足といいます。
五具足というのは、一番外側に花瓶を1対、その内側に燭台を1対、真ん中に香炉を置くことを五具足といいます。

お仏花とお灯明

お仏花は「花器」に生けて前卓の上に置きます。
花器は「華瓶(かひん)」ともいいます。
前卓が汚れないようにか花器受けを置くのがいいでしょう。
仏花の高さは花器の三倍以上が目安です。

お灯明は、木蝋(もくろう)または電気蝋燭を蝋燭立てに立てて、前卓(まえじょく)の上に置きます。
お仏壇が汚れたり、火事の危険もありますので、現在では、木蝋よりは電気蝋燭にした方がいいでしょう。
蝋燭立ては燭台(しょくだい)ともいいます。

お供物のお供えの仕方

果物やお菓子などのお供え物は、大きなお仏壇では三方(さんぼう)に盛りますが、家庭のお仏壇は供笥(くげ)と方位(ほうだて)が一体になっているものが多くあります。
また、高坏(たかつき)に盛ったり、三段盛りに盛って供笥に載せたりすることもあります。
家庭用の小さなお仏壇なら銘々皿の場合もあります。

お供えする場合には、それらの器の上に懐紙を敷いてお供えします。
なければ半紙でもできます。

経机、おりん

前卓の前には、お聖教を置くための経机(きょうづくえ)、おりんを置くためのりん台、りん布団等を並べる場合もあります。
お聖教とは、お釈迦さまの説かれたお経をはじめ、親鸞聖人や覚如上人、蓮如上人の書かれたものをいいます。浄土真宗の本のことです。
一般的には経机といいますが、浄土真宗では和讃卓(わさんじょく)ともいいます。
なお、おりんを前卓に置く場合は、りん台は必要ありません。
りん棒」は「うち棒」とも「(ばち)」ともいい、おりんの中には置かず、経机または前卓の上に置きます。
りん棒の台を使う場合もあります。

仏具の向き

仏具には、必ず前後、左右の向きがあります。
向きをよく心得て、間違わぬように置く事が大切です。

三本足、五本足の仏具(香炉や仏器台など)は、一本足を前にします。
花器や蝋燭立てに獅子をかける時、顔が前に向くようにします。
上卓、前卓の打敷(うちしき)押さえ板を載せる時も、前後があるので気をつけます。
供笥や高杯に果物など下段に三個を三角に並べて、上段に一個載せて盛りつけます。
手前に1個、向こうに2個並べるといいでしょう。
その時、下に敷く半紙の置き方は、前の方に折り目が来るように仏様の方に折った先が向くように敷きます。
鶴亀のろうそく蝋燭立ては、鶴のくちばしが内側に向くように置きます。

浄土真宗の正しいお仏壇の中

親鸞聖人の教えを、浄土真宗といいます。
浄土真宗は、「一向宗」とも言われますように、阿弥陀如来一仏に向かいます。
それはなぜかというと、お釈迦さまが、仏教の結論として、『大無量寿経』にこう説かれているからです。

一向専念 無量寿仏
(大無量寿経)

無量寿仏」とは阿弥陀如来のことです。
一向専念」とは、阿弥陀如来一つに向きなさい、阿弥陀如来だけを信じなさい、ということです。
私たちの後生の一大事を解決し、この世から未来永遠の幸福に救ってくださる仏は、阿弥陀如来以外にはおられませんから、阿弥陀如来以外の諸仏や菩薩やには一切、手を合わせたり、拝んだりはしないのです。

このことを蓮如上人は『御文章』に、こう教えられています。

一心一向というは、阿弥陀仏において、二仏をならべざる意なり。
(御文章)

ですからお仏壇の中は、親鸞聖人も覚如上人も蓮如上人も教えられているように、
南無阿弥陀仏」の正しい御本尊のみにして、雑行の対象になるようなものは置かないのがよいのです。
例えば、亡くなった方の位牌や写真などは、お仏壇の中ではなく、別の場所に置くようにします。
仏教に関する掛け軸なども、同様です。
また親鸞聖人や蓮如上人の御影は、お仏壇の外の両側にお掛けするのがよいでしょう。

浄土真宗のお仏壇に入れてはいけないのは、位牌や故人の写真、御名号以外の掛け軸などです。
お仏壇の中は浄土真宗の正しい御本尊である南無阿弥陀仏のみでスッキリするのが、親鸞聖人の御心にかなったお仏壇の中です。

お仏壇を飾ったら

お仏壇の飾りができたら、それで終わりではありません。
朝晩のおつとめをきちんとさせて頂きましょう。
朝晩の勤行は、親鸞聖人、蓮如上人の教えを毎日聞かせて頂き、阿弥陀仏の救いに遇わせて頂き、変わらない幸せになる大切な聞法のご縁です。
朝晩欠かさず励行するようにしましょう。

ではどうすれば生きている時に阿弥陀如来の本願に救われ、変わらない幸福になれるのかということについては、以下のメール講座と小冊子に分かりやすくまとめてありますので、今すぐお読みください。

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著者紹介

この記事を書いた人

長南瑞生

長南瑞生おさなみみずき

日本仏教学院 学院長
東京大学教養学部にて量子統計力学を学び、卒業後、仏道へ。仏教を学ぶほど、その深い教えと、それがあまりに知られていないことに驚く。仏教に関心のある人に何とか本物の仏教を知ってもらおうと10年ほど失敗ばかり。たまたまインターネットの技術を導入し、日本仏教アソシエーション、日本仏教学院を設立。著書2冊。通信講座受講者4千人。メルマガ読者5万人。執筆や講演を通して一人でも多くの人に本物の仏教を知ってもらえるよう奮戦中。

仏教界では先駆的にインターネットに進出。メールマガジンや、X(ツイッター)(@M_Osanami)、ユーチューブ(長南瑞生公式チャンネル)、インスタグラム(日本仏教学院公式インスタグラム)で情報発信中。先端技術を駆使して伝統的な本物の仏教を一人でも多くの人に分かりやすく理解できる環境を作り出そうとしている。メールマガジンはこちらから講読が可能